特定小型原動機付自転車(四輪)の特徴と選び方

近年都心部を中心に見かけるようになった電動キックボードは法律的には特定小型原動機付自転車(以下、特定小型)という区分に属しますが、これには四輪タイプの車両もあります。※自転車という名称ですがタイヤが4個ついています。

この記事では、特定小型(四輪)にフォーカスし、どのような乗り物で、どのような特徴を持っているのか解説していきます。

最後までお読みいただければ、この新しい乗り物の魅力を発見できるでしょう。さらに「特定小型(四輪)が欲しい」と思った方向けに、選び方も紹介します。

1. 電動キックボードだけじゃない特定小型

以下は国土交通省のサイトに掲載されている特定小型の解説用の図解です。

特定小型の例として電動キックボードが使われています。それくらい特定小型といえば電動キックボードというイメージが世間一般的に定着しています。

国土交通省の特定小型の解説用の図解では電動キックボードが例として使われている。

(国土交通省の特定小型の解説用の図解では電動キックボードが例として使われている。)

図解引用:物流・自動車:特定小型原動機付自転車について – 国土交通省

しかし、実は二輪だけが特定小型ではありません三輪、そして四輪の特定小型も登場しました。

種類が増えることは消費者にとってよいことなのですが、そのせいで特定小型の理解が難しくなったかもしれません。そこで特定小型がどのような特徴を持つ乗り物なのか説明していきます。

1.1. 免許不要で車道を走れる時速20km以下の乗り物

特定小型の人気を支えているのは、免許がなくても16歳以上なら誰でも運転できる気軽さではないでしょうか。これで公道の車道を走ることができます。

自動車やバイクなどに搭載されているモーターやエンジンなどの原動機(動力源)を持つ乗り物は、非常にスピードが速くパワーも大きいため、誤った運転が大事故を招きます。便利である一方で正しい丁寧な扱いが出来なければ危険が伴うため運転免許を取得しないと乗ることができません。

その反面で免許不要で乗れる特定小型車両は原動機こそついているものの、動力性能に対して次のような規制がかかっています。

特定小型の規制

  • 最高速度は時速20km以下
  • 定格出力は0.6kW以下
  • 車体の大きさは
    長さ1.9m以下、幅0.6m以下
  • 運転できるのは16歳以上

特定小型は比較的速度が遅く、パワーが小さく、車体が小さいので、その運転に免許が課されないわけです。

そして特定小型にはタイヤの数や車両のデザインに関する規制などないため、上記の動力性能を満たしていれば電動キックボード以外の車両をつくることも可能。そうして必然的にタイヤが4つある特定小型四輪車両が登場しました。

1.2. 電動モーターがメイン

特定小型の原動機のほとんどは、電気で動くモーターです。

モーターが使われるのは、スピードや出力の制御が容易で、騒音が小さく、排気ガスが出ないというメリットがあるからです。

1.3. 電動キックボードで特定小型が一気にブレイク

特定小型といえば電動キックボード、というイメージが定着したのはさまざまな理由からでしょう。

小型化しやすく小回りがきく、スタイリッシュ、気軽に乗れることから海外で人気が出たのちに日本でも注目されるようになりました。

その後、電動キックボードのシェアリングサービスLUUP(ループ)を利用する人が若年層を中心に増えて街中で見かけるようになりました。

新たな移動手段としてマスコミで取り上げられることが増えたことにより一気に注目が集まった、という要因があるようです。

しかしあくまで世間一般に認知されているのは電動キックボードであり「特定小型四輪車両」についての理解は不十分。電動キックボード以外の車両はまだまだニッチな存在です。

1.4. やはり四輪が安定している

なぜ四輪の特定小型が登場したのでしょうか。それは四輪のほうが安定しているからです。

電動キックボードは二輪なので、停止した状態で足を地面につかないと転倒してしまいます。しかしタイヤが4個あれば、運転者の足を特定小型(四輪)のステップにのせたまま停止しても転びません。

また、電動キックボードは運転中は立ち続けていなければなりませんが、特定小型(四輪)なら座って走ることができて長距離の走行でも疲れません。

加えて荷物を置くスペースを設けられるのも四輪車両ならではの利点。4輪の安定感も相まって重い荷物を運ぶのにも長けています。

2. 特定小型(四輪)の特徴とメリットを紹介

特定小型(四輪)の特徴やメリットには次のものがあります。

特定小型(四輪)の特徴とメリット

  • 倒れないから老若男女 誰でも乗れる
  • 荷物を載せて移動ができる
  • 車道も歩道も走れる~特例特定小型モードがある
  • 自転車、バイク、自動車のメリットを1台に集約
  • 各種機能を直感的に操作できる
  • 環境に配慮したEVだから乗り続けることができる
  • 特に公共交通機関が充実していない地域で利便性を発揮

ここでは弊社ELEMOs合同会社(本社・千葉県東金市、以下、ELEMOs)の特定小型(四輪)「ELEMOs4シリーズ」を例にとって解説します。

2.1. 倒れないから老若男女 誰でも乗れる

以下の動画をご覧ください。ELEMOs4が停止した状態で、運転者が左手でハンドルを持ち、左足をステップにのせています。

この状態でも車体がブレることはなく、倒れる気配はまったくありません。これが自転車やキックボード、バイクであればすぐに転倒してしまうでしょう。

 

(ハンドルを持ってステップに足をのせて体を持ち上げても特定小型(四輪)は転倒することはありません)

特定小型(四輪)の乗車姿勢は以下の写真のように両足をステップにのせて、座席に座るだけ。ハンドルの右側にアクセルがついていて、右手で手前にひねるだけで走り始めます。車道を走ることができる乗り物の中で、特定小型(四輪)より楽に、かつ簡単に、かつ安全に運転できるものはそうはないでしょう。

特定小型(四輪)の乗車姿勢。座ったまま走ります

(特定小型(四輪)の乗車姿勢。座ったまま走ります)

これだけ安定しているので、特定小型(四輪)は高齢者の方でも乗ることができます。ELEMOsは足腰が丈夫なうちは生涯お乗りいただけると考えています。

免許が要らない特定小型(四輪)には免許返納がありませんし、ELEMOs4に乗り続けている限り生活圏が狭まることはありません。

2.2. 荷物を載せて移動ができる

特定小型(四輪)の多くには荷物を置くスペースがあります。弊社のELEMOs4シリーズもシート下に鍵付きの荷室を完備

お米や水を買いに行く事も出来ますし、ハンドバッグを入れてお友達の家まで身軽に遊びに出かけることも可能。

ELEMOsでは積載量を強化した別タイプの車両もご用意しているので農家の方など敷地内での移動が多いお仕事にも重宝されています。

このように特定小型(四輪)は様々な人にとって扱い易くて便利な乗り物だと言えます。

2.2. 車道も歩道も走れる~特例特定小型モードがある

特定小型(四輪)は、自動車やバイクと一緒に車道を走れることが売りになっているわけですが、ELEMOs4なら歩道を走ることもできます。

特定小型とは別に特例特定小型原動機付自転車(以下、特例特定小型)という区分の乗り物があります。特例特定小型は「特定小型の時速6km以下しか出ないバージョン」といえます。

  • 特定小型:車道を走れる。時速20km以下。
  • 特例特定小型:歩道を走れる。時速6km以下。

なお特定小型と特例特定小型は最高速度以外にも、最高速度表示灯などが違います。

ELEMOs4には「特定小型モード」と「特例特定小型モード」が備わっていて、モードを切り替えることでどちらにもなります。

したがって運転者が走行中にモードを切り替えれば、車道が混雑してきた時に歩道に移って走り続けることもできます。

またシニアカー代わりにお出かけの足として使用することも出来ますよ。

※店内などに入ることは出来ません。シニアカーは歩行者扱いですが、特例特定小型の走行ルールは自転車に近いものとなります。

2.3. 自転車、バイク、自動車のメリットを1台に集約

特定小型(四輪)には自転車とバイクと自動車のメリットが凝縮されています。それぞれのメリットは以下のとおりです。

特定小型(四輪)が持っているメリット

  • 手軽
    ↑自転車のメリットと同じ
  • 右手元のアクセルを回すだけで走る
    ↑バイクのメリットと同じ
  • 座った姿勢で運転できて楽
    ↑自動車のメリットと同じ

特定小型(四輪)はさまざまな乗り物の良いとこ取りをした優れた乗り物なのです。

2.4. 各種機能を直感的に操作できる

次の写真はELEMOs4のハンドルの左側です。この部分だけで「走行モードの変更」「ライトのON・OFF」「電源のON・OFF」「方向指示器の操作」「警笛を鳴らす」の5つのことができます。

写真をみるだけで「説明がなくても操作できそう」と思う人がいるでしょう。それを可能にしたのは、直感的に操作できるデザインです。

ELEMOs4のハンドルの左側

次の写真はELEMOs4の液晶ディスプレイです。ここに「スピード」「電池残量」「現在のモード」「走行距離」が表示されます。

大きなディスプレイを使いながら、表示は数字と簡単なイラストだけにして、視認性を高めています。あえて単純かつ装飾のないデザインにすることで、見誤ることを予防しています。

ELEMOs4の液晶ディスプレイ

2.5. 環境に配慮したEVだから乗り続けることができる

ELEMOs4は充電式の電池を搭載して、その電気でモーターを回して車体を走らせる構造になっており、これは電気自動車(以下、EV)と同じです。

EVが環境に優しいといわれるのは、走行しているときには、有害な排気ガスも地球温暖化につながる温室効果ガスも出さないからです。

国(環境省)もEVを「世界のエネルギー問題に大きな変化をもたらす可能性を持つものとして、その普及拡大が期待されている」と高く評価しています。

またEVは騒音や振動をほとんど出さない、静粛性と快適性が極めて高い乗り物でもあるので、そういった意味でもELEMOs4は快適に乗り続けられるといえます。

これらのEVの利点は特定小型(四輪)にも受け継がれています。

参考:電気自動車(EV)は次世代のエネルギー構造を変える?!|地球温暖化・省エネルギー|エネこれ|資源エネルギー庁

2.6. 公共交通機関が充実していない地域で利便性を発揮

特定小型(四輪)はどこでもお乗りいただけますが、特に役立つのは道が広く交通量の少ない地方でしょう。

地方では今、鉄道が廃止されたり、路線バスの便数が減ったり、タクシーの台数が少なくなったりと、交通インフラの量も質も低下しています。

そのあおりを真っ先に受けるのが高齢者や子供などの、自転車もバイクも自動車も運転できない人たちです。これがいわゆる交通難民問題です。

特定小型(四輪)は免許が要らないのに、自転車とバイクと自動車のメリットをあわせ持つので、公共交通機関が充実していない地域の日常をサポートする便利な乗り物になるでしょう。

3. 自分に合った特定小型(四輪)の選び方

特定小型(四輪)の魅力を紹介できたところで、ここからは実際に自分に合った車種の選び方を紹介します。

特定小型(四輪)を買う前に確認していただきたいことは次の7点です。

特定小型(四輪)を買う前の確認事項

  • 安全性の確認
  • 法順守の確認
  • 使用目的に合った車種を選ぶ
  • 目的地までの距離と走行可能距離
  • 性能~不足せず、過剰にならず
  • 予算
  • メーカーの販売実績とサポート体制

いずれも快適な特定小型(四輪)ライフを送るために重要なことなので、1つずつ確認していきます。

3.1. 安全性の確認はマスト

安全面を確保している特定小型(四輪)を選んでください。※販売会社が海外の製品を通販購入するのはリスクが伴います。

特定小型(四輪)の最高速度は時速20km以下ですが、これを「遅い」と感じないほうがよいでしょう。

自動車は時速100kmをゆうに超えるスピードで走るので、時速20kmを遅く感じるかもしれませんが、特定小型(四輪)にはシートベルトもABSもエアバッグもありませんし、バイクや自転車と同じように運転者の全身は何にも守られていません。

マラソン選手のスピードが時速10km程度、自転車が時速15kmぐらいなので、時速20kmはかなり速いといえるでしょう。

特定小型(四輪)の安全性のチェックポイントは次のとおりです。

特定小型(四輪)の安全性の確認ポイント

  • 体を左右に揺らしても安定しているか
  • 速度の微調整が難なく出来るか
  • ライトの光量が十分か
  • 操作ボタンやディスプレイが見やすい
    (見にくいと誤操作しやすくなる)
  • タイヤはチューブレス
    (チューブレスはパンクしても急激に空気が抜けることがない)
  • 地面の凸凹の衝撃を吸収できる車体構造

3.2. 法順守の確認もマスト

法律を守っている特定小型(四輪)を選ぶようにしてください。

もちろんほとんどのメーカーは法律どおりに特定小型(四輪)をつくっています。しかし特定小型(四輪)は、最高速度やパワー、車体の大きさなどに規制がかかっていて、法律をクリアした製品をつくることは決して簡単なことではありません。

法律順守宣言をしているだけでなく、どのように法律を守っているのか説明しているメーカーの特定小型(四輪)を選びたいものです。

弊社ELEMOsでは国土交通省の性能等確認試験に適合した車両を販売しています。

ELEMOs合同会社 2025年5月28日発表

3.3. 使用目的に合った車種を選ぶ

購入を検討している方は、どのような目的で特定小型(四輪)を使うのか想像してみてください。

特定小型(四輪)の種類は少しずつ増えています。各メーカーは個性を出そうと新しい機能を加えたり、不要な機能を削ったりしています。そのため積極的に自分に合った車種を選ばないと、間違った選択になりかねません。

特定小型(四輪)の利用目的になりうるもの

  • 買い物
  • 通勤、通学、通院
  • 散歩の足
  • 遠方に行く
  • 近所しか走らない

利用目的をメーカーや販売店の担当者に伝えれば用途に合う1台が見つかります。

通販で購入に悩んでいる場合はお問い合わせして疑問を解消するようにしましょう。

3.4. 目的地までの距離と走行可能距離

特定小型(四輪)は電動なので、1回の満充電で走れる距離(走行可能距離)が決まっています。

多くの特定小型(四輪)は走行可能距離は30~50km程度あるので足りない事はないとは思いますが、長距離の移動を想定しているのであれば具体的に確認しておきましょう。

「満充電で何往復できるのか」「1週間に何回充電が必要になるのか」などイメージしておくと後悔のない車両選びができます。

3.5. 性能~不足せず、過剰にならず

特定小型(四輪)は車種によって性能に違いがあります。走行可能距離の長さ・短さも性能に含まれます。

性能が高いほど、多くの機能が搭載されているほど車体価格が高くなります。

そのため、自分が必要とする性能・機能があり、不要な性能・機能がない特定小型(四輪)を選ぶようにしたいものです。

3.6. 予算

特定小型(四輪)は国内会社が販売している製品の多くで約30万~50万円の価格帯となっています。

安全で十分な性能が備わっている製品はそれなりの価格になるので、予算づくりは大切です。

消費者の心理としてはどうしても「出来るだけ安い方が良い」と考えてしまうかもしれませんが、特定小型(四輪)では「安かろう悪かろう」な買い物になりやすいので注意が必要です。

※例えばAmazonなどで販売している海外からの輸入品ではもっと安価な車両が見つかるかもしれませんが、それらは基本的にアフターサービスがなく売りっぱなし。運悪く不良品を引いてしまった場合にも製品が大型なのもあり面倒に巻き込まれる可能性が高いです。

公道を走る車両ですから販売実績が豊富で評判の良いメーカーの製品を購入する事をおすすめします。

3.7. 信頼できるメーカーか

信頼できるメーカーがつくっている特定小型(四輪)を選ぶようにしてください。

メーカーの実力は公式サイトで分かります。製品について詳しく解説していたり、自社の情報を包み隠さず公開していたりするメーカーは信頼度が高いでしょう。

メーカー名や製品名でインターネット検索やSNS検索をして、評判をチェックしてもよいでしょう。

また、購入を検討しているものの踏ん切りがつかずに悩み続けるようであれば、メーカーに疑問を問い合わせてください。その反応で不安が解消できるかどうか確認することをおすすめします。

まとめ~「自分の1台」「手離せない1台」を探そう

特定小型(四輪)の特徴と、「自分の1台」を探し出すコツを紹介しました。

特定小型(四輪)は自信をもって「便利な乗り物です」ということができますが、それでも新しい乗り物なので購入時は不安になるかもしれません。

それだけに特定小型(四輪)を活用するメリットを知って、自分の生活にマッチした車種を選びたいものです。

この記事で紹介した内容を考慮しながら慎重に選んでいただければ「手離せない1台」と巡り合えるはずです。

弊社ELEMOsは特定小型四輪市場においてトップクラスの販売実績を誇り、多くのお客様からの声を受け止めてより良い製品開発に注力しております。

製品ラインナップは以下よりご覧くださいませ。

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