モーターなどの原動機がついている乗り物のなかには、運転免許を持っていなくても運転できるものがあります。それは「特定小型原動機付自転車」「シニアカー」「電動アシスト自転車」などです。

モーターを原動力としてタイヤを回すので運転者は長距離をラクラク移動可能。免許が要らないので、思い立ったらすぐに購入して走り出せます。
しかも免許不要の乗り物は電気で動くので使用するにあたってのコスパが高く、環境にもやさしいという嬉しい特徴もあります。
この記事では、免許不要の乗り物の魅力を伝えるとともに、どのような種類があり、選ぶときに何に注意したらよいのかを解説します。

モーターやエンジンなどの原動機は、車体を高速で動かすことができ、しかも重量物である原動機によって車体が重くなるので、事故を起こしたときに被害や損害が大きくなる恐れがあります。
それで自動車やバイクを運転するには高いスキルが必要になるので、運転免許の取得が義務化されました。
しかし運転免許を取得するには、時間も労力もお金もかかりますし、試験で不合格になるとストレスを感じることすらあります。また年齢を重ねたシニア世代は運転免許を返納する際の移動手段に悩んでいる方が多くいます。
したがって免許不要で公道を走ることができる原動機付きの乗り物は「とても便利で気軽な移動手段」だといえるでしょう。しかし注意も必要です。
近年都心部を中心に見かけることの多くなった電動キックボード。

気軽に街中でレンタルして使えることから若年層を中心に利用者が増えています。
実はそんな電動キックボードも以前は運転するには免許が必要でした。しかし2023年7月から改正道路交通法が施行され、免許がなくても16歳以上なら運転できる新たな区分「特定小型原動機付自転車」(以下、特定小型)が設けられました。
電動キックボードも特定小型に分類されます。特定小型はパワーが小さく、軽く、低速走行に限られることから運転が容易なので「免許がなくてもいいでしょう」となったようです。

免許不要の特定小型の基準は以下のとおりです。
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特定小型はこれらの基準を満たしたとき初めて、免許不要で公道を走ることができます。
そして基準を満たした証(あかし)として、シール状の「性能等確認済シール」や「型式認定番号票」が車体につけられています。
なお特定小型にはナンバープレートを付けなければなりません。

特定小型は時速20kmまでしか出せないようになっているのですが、このスピードが完全に安全かというとそのようなことはありません。
自転車でも時速20kmを出すことは容易で、自転車事故で亡くなる方がいるのは周知のとおりです。
そのため特定小型は16歳以上でないと運転できませんし、自賠責保険に加入しなければなりません。ヘルメットの着用は努力義務となっています。飲酒運転をしたり、2人乗りをしたりすると懲役や罰金が科されることがあります。
免許不要で乗れるとは言え、モーターを原動力に車道を走ることが出来る車両ですから運転するときは十分注意しなければならないでしょう。

ここからは免許不要の乗り物を1台ずつ確認していきます。
最初に特定小型を紹介するのは、メーカー各社が開発に力を入れていて、乗り物としての魅力が高まっているからです。
これまでは特定小型といえば電動キックボードというイメージがありましたが、最近は三輪タイプや四輪タイプも登場して商品選びも楽しめるようになりました。

電動キックボードは、前後の小さいタイヤの間にあるステップに立って運転します。前タイヤから伸びている棒の先端にハンドルがあり、これを両手でつかんで操縦します。
立ったまま走る乗り物は珍しく、電動キックボードに初めて乗る人は、広い視界を確保した走りや、開放感を満喫できる走りに、新感覚を覚えるでしょう。

(画像はELEMOsの電動キックボード。ナンバーも保安装置も付いているので公道を走ることができます。)
ハンドルの右側にアクセル・レバーがあり、これを右手親指で押すことで発進させたり加速させたりできます。

(電動キックボードのハンドルは自転車と似ています。自転車との違いは右側にアクセル・レバーがあることです。これを親指で押すと走り出します)

(折り畳むとこんなにコンパクトになります)
弊社ELEMOs(エレモーズ)の電動キックボードはディスク・ブレーキを装着していて、高い制動能力を発揮します。さらに、ハンドル部分を折り畳むことができるので、持ち運びに便利です。
そして多くの電動キックボードには時速20km以下の走行が可能な特定小型モードと、時速6km以下しかスピードが出ない特例特定小型モードがあります。
特例特定小型になると歩道も走ることができます。ELEMOsの電動キックボードはモード切替機能を備えたことで、車道も歩道も走れるようになったのです。
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■ELEMOsの電動キックボードのスペック
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続いて紹介するのは三輪タイプの特定小型です。写真は弊社のELEMOs3です。

(ELEMOsの三輪タイプの特定小型、ELEMOs3。座って走れ、安定性も高いのが特長です)
電動キックボードなどの二輪は軽快に走れるメリットがあるのですが、バランスを取らないと転倒してしまう欠点があります。
その点、三輪タイプは、運転者が停車時に足を地面につけていなくても転倒しにくい利点があります。
そして三輪になると座って運転するので、立って走る電動キックボードより疲れにくくなるでしょう。

(ELEMOs3は、車体中央が大きな荷物置き場になっています)
また三輪になると荷物の積載量が格段に増えます。ELEMOs3は左右のステップの間にカゴを設けていて、そこに36~50×20×32cmの荷物を入れることができます。
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■ELEMOs3のスペック
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三輪で安定するなら、四輪ならもっと安定するはずです。特定小型には四輪タイプもあり、バイクの良さと自動車のメリットを兼ね備えています。

(余裕を生む安定性が魅力の四輪タイプの特定小型ELEMOs4)
写真は弊社が販売する4輪タイプ車両のELEMOs4(エレモーズフォー)。若年層だけでなく免許返納後のシニア世代の移動手段として愛され進化を続けている人気シリーズです。
四輪の特定小型は、バイクと同じように車体にまたがって乗って全身を使って軽快に走ることができます。その一方で自動車と同じように4つのタイヤが地面をとらえているので、全速力のときもノロノロ走行のときも安心して運転できるでしょう。

ELEMOs4は走りの快適性を追求したつくりになっていて、その一例が4つのタイヤを支えるサスペンションです。サスペンションは凸凹の道路を走っているときの車体への衝撃を抑制したり、タイヤと地面の接地を確実にしたりする働きがあります。
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■ELEMOs4のスペック
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シート下には荷室が確保されているので水や米などの重い荷物を運ぶのにも便利。
もっと荷物を載せたい場合は積載量を向上させたカーゴタイプもあります。
(上記画像は特定小型四輪初のカーゴモデル)
特に郊外など道路や駐車場が広々とした地域では利便性の高い4輪タイプが人気となっています。

(歩行をサポートするシニアカー)
シニアカーは高齢者の電動乗り物として知られていますが、誰でも運転することができます。 シニアカーも運転免許が要らない乗り物ですが、それに加えて歩道や横断歩道を通行することができます。そして歩道がない道路では、右側を走ります。シニアカーは法律上は歩行者と同じとみなされているのです。

特例特定小型も歩道を走ることができる免許不要の乗り物ですが、シニアカーはさらにマイルドな乗り物です。シニアカーの基準は次のとおりです。
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■シニアカーの基準
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これだけ車体が小さく、パワーも小さいので歩道を走っていても歩行者に危険がないとされています。

では、免許不要の乗り物としては、特定小型とシニアカーでは、どちらが優れているのでしょうか。メリットとデメリットは利用する人によって異なってくるので、人によって優れている乗り物が決まります。

シニアカーは体の自由が少しきかなくなった人でも安心して安全に運転できるように設計されています。
そのためアクティブに行動する人にとっては、シニアカーは物足りなく感じるかもしれません。「もっとパワーとスピードが欲しい」と思うでしょう。
特定小型なら、自転車並みの時速20kmが出るタイプがあるので、短い時間でより遠くに移動することができます。
シニアカーは道路上は歩行者と同じ扱いを受けるわけですが、それだけに歩行が少し困難に感じてきた人に向いている乗り物といえます。

電動アシスト自転車(正式名、駆動補助機付自転車)も、広い意味では免許不要の原動機が付いた乗り物といえます。

(最近の電動アシスト自転車はファッション性が高い製品が増えています)
ただし電動アシスト自転車は、上記で紹介した特定小型やシニアカーと決定的に異なる点があり、それはベースが自転車であることです。電動アシスト自転車は、ちょっとしたモーターが付いていてペダルを軽くこげる自転車、といえます。
「ほぼ自転車」をここで紹介するのは、注意したい点があるからです。
電動アシスト自転車はあくまで自転車なので、速くならないように規制が設けられています。
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■電動アシスト自転車の道路交通法上の基準
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このように電動アシスト自転車のモーターは、低速域での補助を目的としているのであって、最高速を伸ばすことは狙っていません。
ところが最近、最高速を上げる目的とみられる「電動アシスト自転車と名乗る自転車」が出回っていて、警察や消費者庁が問題視しています。
速すぎる「電動アシスト自転車と名乗る自転車」は過大な力が加わってバランスを崩したり、スピードが出すぎたりして危険です。過去に「電動アシスト自転車と名乗る自転車」を販売した会社などが検挙されたこともあります。
免許不要の乗り物として、特定小型、シニアカー、電動アシスト自転車を紹介しました。これらを選ぶときの注意点を解説します。

免許不要の乗り物は種類が増えていて、さまざまな用途に使えるようになりました。選択肢が増えることは、これから免許不要の乗り物を利用する人にとってよいことなのですが、自分に合った1台を選ぶのに悩むかもしれません。
そこで、どのような目的で免許不要の乗り物を使うのか、事前に決めておくとよいでしょう。
目的には「買い物目的」「自転車代わりに使う」「かなり遠方に行くこともある」「近所でしか使わない」「荷物を載せたい」「遊び目的」などさまざまあるでしょう。
目的が決まれば、その目的を達成できる機能や性能を持つ製品を選ぶことができます。

高齢になって自動車の運転免許の返納を考えている方が、免許不要の乗り物を購入すれば引き続き移動手段を確保できます。
このような方は、免許返納後の生活がどのようになるのかイメージしておくとよいでしょう。

左:弊社ELEMOsの特定小型四輪|右:シニアカー
| ※電動キックボードは不安定なことに加えて荷物を載せることが出来ないので高齢者には不向きです。 |

免許不要の乗り物をつくっているメーカーは安全性を高める工夫をしていますが、それでも自動車やバイクに装備されているエアバッグやABSなどの高度な安全装置はついていません。
そのため、免許不要の乗り物を購入する前に、メーカーや販売店の担当者に安全性能について質問することをおすすめします。
免許不要の乗り物の価格は、性能が高いほど高額になり、機能が少ないほど低額になる傾向にあります。高額な製品ほど高性能で多機能なわけですが、免許不要の乗り物はコスパが良いところも魅力なので、自分が使わない性能・機能のためにお金を支払うのはもったいないでしょう。
そこで性能と予算のバランスを検討しながら車種を選ぶとよいと思います。
免許不要の乗り物に過度に期待してしまうと、実際に購入したときに「こんなものか」「使い勝手が悪い」と感じてしまうかもしれません。免許不要の乗り物はシンプルな構造になっているので、これでできることは限られています。
そこで免許不要の乗り物のデメリットを知っておきましょう。次のようなものがあります。
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■免許不要の乗り物のデメリット
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免許不要の乗り物の限界を知っておき、性能や機能の範囲内で利用すれば、この乗り物は生活を一変させる力を持っています。
特定小型やシニアカーなどは、自動車やバイクにはないコスパの良さや小回りのききやすさ、使い勝手の良さがあるからです。
モーターやエンジンなどの原動機は人の移動に革命をもたらしたといっても過言ではありません。それは人々の生活と経済を変え、人類を豊かにしてきました。
しかし性能が高すぎる自動車やバイクは操作するのに高いスキルが必要になるので、運転免許が課せられるようになりました。
そこで登場したのが、免許不要で乗ることができる原動機付の乗り物です。免許が要らないということは、乗り物を買うだけで走り始めることができるわけです。

特定小型、特例特定小型、シニアカー、電動アシスト自転車などは、今の生活の質を維持したり、より便利にしたりするのに活躍するでしょう。

弊社ELEMOs(エレモーズ)は特定小型四輪市場においてトップクラスの販売実績を誇り、多くのお客様からの声を受け止めてより良い製品開発に注力しております。
まだまだ珍しい乗り物ですが、その魅力に気づいて愛車に迎えていただくお客様が増えています。
本記事のテーマである「免許不要で乗れる乗り物」の中でも特徴が際立った次世代モビリティに興味がございましたら、是非公式ストアもご覧くださいませ。