高齢者などの生活者が自動車の運転に不安を感じ、普通自動車免許の返納(免許返納)を検討するようになると気持ちが沈むかもしれません。「もう自分の車で買い物に行くことも遊びに行くこともできないのか」そう思うこともあるでしょう。
しかし実は、免許返納にはメリットもあります。免許返納の良い面に着目することで、前向きになることができます。
そこでこの記事では、免許返納のメリットとデメリットを紹介します。なおデメリットの紹介では、その解消法も解説しますので参考にしてみてください。

先に免許返納のデメリットを紹介します。
免許返納のデメリットとその解消法は以下のとおりです。
週末、自家用車でショッピングモールに出かけて、食料や日用品をまとめ買いする人は、免許返納によってそれができなくなります。高齢になると病気にかかりやすくなったり、体調不良に陥りやすくなったりするのでクリニックや病院に行く機会が増えますが、そこにも自家用車では行けなくなります。
自家用車で済ませていた用事は、免許返納によってすべてできなくなり、これは最大のデメリットといえるでしょう。
しかしインターネットが、これらのさまざまな不便を解消します。
買い物は、自分で自家用車を運転して店に行くより、インターネットを使って自宅に運んでもらったほうが断然楽です。アマゾンや楽天市場などは、手に入らないものはないと思えるほどの品ぞろえです。また最近は、スーパーマーケットやコンビニも商品の宅配を行なっていて、これもインターネット経由で依頼できます。
通院も、インターネットとスマホやパソコンを使ったオンライン診療によって、不要になります。オンライン診療は、患者さんが自宅にいながら、スマホの画面で医師の顔をみながら診療を受けることができるシステムです。薬は宅配便で自宅に届きます。
ドライブを趣味にしている人は、自動車を運転して自由気ままに走っているだけで楽しめますが、免許返納でそれができなくなります。また、家族や友達を自分の車に乗せて旅行に行けなくなることも、免許返納のデメリットです。
自家用車は遊びツールでもあるので、免許を返納してしまうと楽しみが減ってしまう人もいます。
そのような人はぜひ、さまざまなバスを使ってみてください。バスは鉄道駅などから出ている定期運行バス以外にもさまざまな用途で使われていて、これをフル活用するとアクティブな生活になるでしょう。
例えば日帰り観光のバスなら、低価格で気軽に名所を巡ることができます。バスなら旅先でお酒を飲むこともできるわけです。
また、お住いの自治体や、郊外のショッピングモールなどが地域巡回バスを運行していることがあり、これを利用すると活動範囲はむしろ免許返納前よりも広がります。
免許を返納するという事実に、漠然と不安を感じる人もいるでしょう。「自分もそういう年齢になったか」と落ち込むこともあるでしょうし、「できないことがまた1つ増えてしまった」と感じるかもしれません。
しかし考え方を変えることで、不安や落ち込みが消えることがあります。年を取ればできなくなることが増えるのは当然のことであり、自動車の運転もそれに含まれます。このとき免許を返納すれば、新たな決断をしたことになります。つまり免許返納は新たな一歩とみなすこともできるのです。
免許返納によって、自動車事故を起こすリスクがなくなり、もらい事故を受ける確率は格段に減ります。自動車事故が減ることは自身にとってだけでなく、家族にも社会にもメリットになります。自分の新たな決断(=免許返納)が世の中のプラスになることは、素晴らしい新たな一歩といえるでしょう。
「免許返納にメリットなんてあるのか」と思っている人がいるかもしれませんが、こちらを読んでいただければ考えをあらためていただけるかもしれません。
いずれも魅力的な内容ではないでしょうか。1つずつ確認していきます。
シニアのなかには、終活や断捨離、シンプルライフ、ミニマイズに興味を持っている人がいるのではないでしょうか。いずれも、自分の生活のなかにある不要なものや邪魔なものを取り除いて軽やかに生活する取り組みです。
自動車の運転に不安を感じながらも免許返納に踏み切れない方は、「自動車こそ巨大な不要物かもしれない」と考えてみてください。
1週間は168時間になりますが、このうち自分は今、自動車を何時間運転しているでしょうか。仮に毎日1時間運転している人でも、1週間で7時間しか運転していません。7時間は168時間の4.2%(≒7時間÷168時間×100)にすぎないのです。
4.2%のために自動車を保有して、保管して、ガソリンやウォッシャー液などを定期的に入れて、整備や点検に出さなければなりません。免許を返納すればこうした雑事から解放されます。
免許を返納して自動車を運転しなくなると、自分が自動車事故を起こす確率はゼロになります。ただ、歩いていても自転車に乗っていても自動車事故に巻き込まれることはあるので、自動車事故のリスクは完全にはゼロになりませんが、その確率が格段に低下することは人生において大きなメリットになるでしょう。
もし無事故無違反だった方が免許を返納すれば、自分にも社会にも損害を与えないまま自動車ライフを引退することができるわけです。これは素晴らしいことです。
どれだけ低価格の自動車でも新車なら200万円はしますし、中古車でもそれなりの車種を選べば100万円を下回ることはないでしょう。
自家用車はいわば「カネ食い虫」です。車体費用のほかにも、ガソリン代、オイル代、保険代、整備代、修理代、車検費用、駐車場代などがかかります。自家用車を手離して免許を返納すれば、これらの支出がゼロになるので家計は相当楽になるはずです。
免許を返納して自家用車が使えなくなると、公共交通機関やタクシーを使うことになり、それらは新たな出費になりますが、それでも自家用車の維持費よりは安く済むでしょう。
免許を返納して自家用車がなくなると、確実に歩く機会が増えるでしょう。それは健康増進のプラスになります。例えば、自宅からスーパーマーケットに行くとき、自家用車があれば、自宅から車庫までと、スーパーマーケットの駐車場から店内まで、そして店内しか歩きません。しかしバスでスーパーマーケットに行く場合は、自宅からバス停まで、到着したバス停からスーパーマーケットまで、そして店内を歩くことになり歩数はかなり増えます。
健康は歩くことから始まります。
自治体は免許返納を実施した人にさまざまな特典をプレゼントしています。例えば千葉県では、千葉県個人タクシー協会が、免許返納者の乗車運賃を1割引きにしています。また、千葉中央バスや千葉海浜交通などは、ノーカーアシスト優待証を持つ70歳以上の人に、2年間にわたってバス運賃を半額にしています。
同様の免許返納特典はさまざまな自治体が実施しているので、ぜひ有効活用してください。
「免許を返納するしかないか」と思ったとき、ネガティブな気持ちになるのは当然です。生活が一変するような気がしますし、できないことが増えたことに落ち込むこともあるでしょう。
しかし免許返納は良いことです。加齢などによって運転スキルが低下するとどうしても事故のリスクが高くなってしまい、実際に事故を起こせば自身にも家族にも社会にも大きな損失を与えるからです。
免許返納の最大のメリットは、社会に対して良いことをしていることです。
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