免許返納とは、普通自動車免許を持っている人が、有効期限が満了する前に自分で申請して免許を取り消す制度です。自主返納と呼ばれることもあります。
高齢になった方や自動車の運転に自信がなくなった方が免許を返納することで、自分自身にも家族にも、そして社会にも安全をもたらすことができます。
しかし免許を返納してしまうと、移動手段がなくなって困ることがあります。そこでこの記事では免許がなくても移動できる手段を紹介します。

公共交通機関を賢く使う

公共交通機関を賢く使う

免許がないと自家用車を含むすべての自動車を運転できなくなるわけですが、真っ先にその代わりになるのがバスや鉄道などです。
しかしこのような提案をすると「公共交通機関が不便だから自家用車を使っている」と反論されるかもしれません。
そこで免許返納をした後は、バスや鉄道を「賢く」使うことを提案してみます。

実は公共交通機関のほうが楽だし早い

免許返納を検討している方が「公共交通機関は自家用車より不便」と感じていたら、まずはその悪いイメージを取り去ってみるとよいかもしれません。

「自家用車なら時刻を気にせず移動できるし、好きなところに好きなルートで行ける」と思っていると、公共交通機関が不便に感じることでしょう。しかし公共交通機関なら自分で運転する労力は必要ありませんし、移動している間に休むこともできます。
また、バスや鉄道の時刻表に合わせて自分の行動を計画するようにしてみてもよいでしょう。時刻表をみながら計画を立てて動くことで時間の無駄が減ります。むしろバスや鉄道のほうが、自分が運転する自家用車より時間に正確に動くので早く用事を済ますことができます。

鉄道はバスとの「連絡」が重要

地下鉄や電車などの鉄道の駅は、目的地から案外離れていることがあり、それで「鉄道は不便」と感じるかもしれません。そのため鉄道の利用は、バスの利用とセットで考えるとよいでしょう。
免許返納後は、鉄道とバスの「連絡」をしっかりチェックしておくことで、スムーズに乗り換えができるようになります。また、鉄道駅に到着した時刻からバスの出発時刻まで時間が空く場合は、駅の周辺で用事を済ませるようにすれば時間を節約できます。

どの停留所・駅に何があるかを把握しておく

人は、自分がよく利用するバス停留所や鉄道駅の周辺のことはよく知っていますが、ほとんど乗降しない停留所・駅の周辺のことは案外知らないものです。
そこで、乗降したことがない停留所・駅の近くに何があるか調べてみてはいかがでしょうか。地域のことをよく知れば、免許を返納する前より交通インフラや生活インフラを活用できるようになります。
このように、ひと工夫加えることで、バスと鉄道の便利さがさらに向上するでしょう。

タクシーや乗り合いサービスなどを利用する

免許返納後は、タクシーも自家用車の代替手段になりえます。しかしタクシーに関しては「高額」や「ぜいたく」と感じる人もいるかもしれません。ところが考えようによっては、タクシーはコスパが良いのです。
また、地域によっては乗り合いサービスがあるので、ぜひ一度使ってみてください。ショッピングモールが運行するバスもフル活用してみましょう。

タクシーは自家用車より安い

確かにタクシーで3,000円かかる移動でも、自家用車なら200円くらいのガソリン代で済むかもしれません。そう考えると免許返納をためらってしまうかもしれません。しかし自家用車を保有すると、保険代や車検代、整備代、修理代、駐車代、ローンの返済、洗車代といった多額の「みえにくいコスト」がかかります。これらのコストを合わせると、人によってはタクシーのほうが自家用車より断然安くなることがあります。
特に、長距離移動は長期休暇のときだけで、あとは週末に近所を走るだけ、という人の場合、自家用車は割高です。

乗り合いサービスとは

地域によっては自治体が乗り合いサービスを提供しているところがあります。マイクロバスや大きなワゴン車に複数の人を乗せて、バスのように停留所から停留所へと移動します。料金は数百円で地域内を乗り放題といったところもあります。
乗り合いサービスは、まさに免許を返納して生活の足を失った人のために提供されるものなので、生活に密着したルートになっていることが多く利便性は高いでしょう。

ショッピングモールの無料バス

大型のショッピングモールのなかには、自社で無料のシャトルバスを走らせているところがあります。地域の人々にバスに乗ってもらって集客に使っているのです。
ショッピングモールにはスーパーマーケットも衣料品店も家電売り場もありますし、店内が広大なのでウォーキングをすることもできます。

自分の移動を減らす

免許を返納したら、できるだけ自分が移動するのを減らすことを検討してみてください。買い物をするときや何か用事を片付けるときは、自分が動くのではなく相手に動いてもらうのです。

外食も買い物もデリバリーを使う

デリバリー・サービスは今、実施エリアも、運んでくれるものも拡充しています。
フード・デリバリーは最もよく普及しているデリバリーで、和食、洋食、中華、インド料理、軽食、飲み物と、ありとあらゆる食を運んでくれます。有名飲食店もデリバリーを使っているので、外食で楽しめる味の多くを自宅で味わえるでしょう。
そして最近はスーパーマーケットやコンビニも積極的にデリバリーをしているので、コメ、水、肉、野菜、お菓子など、なんでも運んでもらうことができます。
アマゾンや楽天などの買い物Webサイト(ECサイト)も、購入したものを自宅まで運んでもらえるので一種のデリバリーといえます。
これらを駆使すれば大概のことは外出しなくても済みます。

インターネットで各種手続きを済ませる

銀行や郵便局、市区町村役場、税務署などに出向いて各種手続きをしている場合、インターネット(Webサイト)を利用すると移動しなくて済むことがあります。
送金や代金の振り込みは銀行のWebサイトで完結するでしょう。電子メールやチャット・アプリを使えば、郵便を使わずに済みます。
市区町村役場や税務署などの行政機関もWebサイトでの手続きを進めているので、それを利用すればスマホやパソコンを操作するだけで手続きが終了します。
この手段は免許を返納していない人にも有効です。

免許が要らない小型の電動の車両

「どうしても物理的な移動が必要になる」という方が免許を返納したときは、小型の電動自動車がおすすめです。
自分で操作して電気で走る車なのですが、免許が必要ないものがあります。

シニアカーは歩行者と同じ扱い

よく高齢者の方が使っているシニアカーは電気で走る車ですが、道路交通法上は歩行者と同じ扱いを受けるので免許は不要です。
シニアカーのなかには、スーパーマーケットの買い物かご1個を丸ごと載せられるものもあるので、日々の食料や生活必需品の購入で不便を感じることはないでしょう。
シニアカーを使っていないときに自宅で充電できるので、自家用車のようにガソリンスタンドに行く必要もありません。

特定小型と特例特定小型も免許不要

特定小型と特例特定小型も免許不要

 特定小型のルールを解説する警視庁のサイト
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/electric_mobility/electric_kickboard.html

シニアカーの走行速度は遅すぎる、と感じる方には、特定小型原動機付自転車(以下、特定小型)や特例特定小型原動機付自転車(以下、特例特定小型)がおすすめです。いずれももちろん免許不要で、電気で動きます。
最高速度は、特定小型は時速20km以下、特例特定小型は時速6km以下に設定されています。
特定小型や特例特定小型のなかには、1回の充電で40~50kmも走行できるものがあり、これなら自家用車を手離しても生活圏は狭まらないでしょう。さらにいえば、特定小型や特例特定小型は小回りがきくので、むしろこれまでより積極的に外出したくなるかもしれません。

まとめ~免許返納ごはやり方次第で生活の質を高められる

免許を返納してしまうと、もう自分では自動車を運転できなくなってしまいます。一抹の寂しさがあるかもしれませんし、「生活に困る」と不安になるかもしれません。
しかし公共交通機関やインターネットを上手に利用したり、小型の電動車両を駆使することで、不便さを解消できるだけでなく、免許返納前より生活の質を高められるかもしれません。

© 2023 elemos.inc

ここに見出しテキストを追加